秘密基地 というバンド

秘密基地http://www.myspace.com/1000533918というバンドがいます。国分寺を中心に活動するバンドです。緑川こずえ(主にアルトサックスたまにベース・ギター・ドラムさらにヴァイオリン)パパ(主にベースたまにトランペット・笛)山本白鳥(おもにドラム・パーカッション)という編成です。ジャンルはというと困ってしまいますが、彼らはノイズをやっているつもりはないそうで、ロックでもないがそう呼べそうでもある。フリージャズはコミュニケーションだとドラムの山本氏がおっしゃっていました。つまり対話するということなのかもしれません。彼らとお話しさせて頂くと驚きます。まず緑川氏の膨大な知識は音楽だけに留まらず、映画や文学、絵画そして食といった具合に多岐に渡っていますが、彼自身知識欲というのがまったくなく無知であることを重んじていながらも趣味が勉強というベジタリアンです。パパ氏は専ら政治経済の話題に強く、世界情勢の話から少しオカルティックな話までおもしろおかしく聞かせて頂きました。山本氏はずっとアントナンアルトーがなぜ死ななくてはならなかったのかとフリージャズをどう人に勧めていいか分からないと力説しておられました。それにしても文化的な要素に豊かな彼らの音楽性を語るのは容易ではありません。まずは一度聞いて頂く他ないとサジを投げてしまいそうですが、あえて語るとすれば、ジャズが絶対的に負っているコードの前提を批判的に継承した、あるいは媒介したフリージャズのコミュニケーションというものがあるとすれば秘密基地は何ものの媒介せずにフリージャズをやるということかもしれません。これは困難です。まず音楽を志向し楽器を手にした時点で音楽の起源を持ってしまう。しかし、楽器を持たずにはいられない。彼らには古くさい二者択一などないのです。常に誤謬の中で音楽を横断的に思考しているのです。絶えず可能性から不可能性を負っているのです。故に彼らの活動は不連続で遅々としています。だからこそ彼らの演奏の一瞬一瞬がスリリングなのです。この機会に是非ライブなどに足を運んでもらえればと思います。ゆーまっさ。